_ココで紹介したいろいろなIDEAは、環境などにより新たな欠陥を生むリスクもあります。 良く検討された上で、自らの責任で採用してください。

換気のロス(5)2008年03月15日 17:27:20

家の設計では、断熱、気密、換気、冷暖房がセットになって快適な性能になると思います。本来はこれらのセットで語るべきなのでしょうが、全部一緒にするとどこを比較しているのかが分りにくくなります。
わたしは、換気について4つに分けて考えています。

1.換気量の問題
一般に、一時間に気積の(1/2)を入れ替えていますが、こんなに必要ないと思います。ホルムアルデヒドなどは建材の選択やベイクアウトで減らせば良いので、ここでは枯れた家で考えています。
まず設備容量についてですが、法律では「居室」について(1/2)ですから、C値計算で使う気積全体の(1/2)にする必要がない。
次に運用の問題ですが、CO2を1000ppm以下にすれば良いと思いますので、一人10-15m3/h程度で充分と思います。減らせる要因をあげます。
(1)室内で長時間運動する分けでもないので代謝量(基礎代謝*代謝率)はさほど大きくない。
(2)24時間、家族が全員いる訳でもない。
(3)台所の換気扇(レンジフード)で強力に換気されてしまう。
(4)ドアや勝手口の開閉で換気されてしまう。

違法にならないように、設備としては24h換気スイッチのあるレンジフードも計算にいれて、建築基準法を満たせば良いと思います。そして実際の計画換気装置の運用としては、一人10-15m3/h、4人家族で50m3/hあれば良いと思います。
多すぎる換気は電力消費と熱損失の両面で不経済だと思います。
 
換気については、↓これが分りやすく詳しく書いてあります。
http://www.ab-dix.co.jp/ 中央にあるpdf「換気の基礎知識」

ここでは、「階間を除いた全ての住空間の(1/2)を1時間で入れ替えろ」と書いてあります。
 

換気のロス(6)2008年03月15日 20:39:41

換気のロス(5)の続きです。

2.消費電力と熱回収
換気に要する消費電力についてはトップランナーで比較したいと思います。
トップではありませんが、拙宅で採用した機種では換気量を最小に絞っているせいもあり、2台でも5.4Wしかかかりません。この電気料金は年間1000 円以下です。5.4*8760=48kWh。
装置を一台にして160m3/h(20Pa)の換気を行なっても9.5Wですから、年間2000円あれば充分です。9.5*8760=84kWh.
http://www.jbeck.co.jp/products/kanki/dc_angel/index.html

第一種の場合には、どのくらいの消費電力がかかって、どれだけ熱が回収できているかを明確にしないと冷静な比較ができません。
また、熱交換効率90%というのは、非常に誤解を招きやすい表現だと思います。
私見ですが、分子は年間で回収できるエンタルピー、分母は年間の換気損失エンタルピー+消費電力量にすべきだと思います。
一条工務店の「温度交換効率」という表現は、一般向けには良いと思います。(冬期最高)と付記すればもっと良いのに。


3.消費電力低減
(1)換気ロスの低減にはダクトが太く滑らかの方が有利です。
(気積が巨大なチャンバーとして働くからダクトレスが最高!なのだ。という意見は置いておく)
滑らかさは良いとしても、ダクトを太くすることは梁の欠損とのトレード関係にあります。

(2)本質とは離れますが、第一種熱交換換気は冷暖房と組み合わされることが多い。その場合、換気とは別にそれよりも多量の空気を循環(リターン)させることになる。ダクト径が同じ場合、流量が増えるので空気搬送のロスも多くなってしまう。
話がそれますが、熱の移動に空気搬送と水搬送ではどっちが効率が良いのでしょうか。専門家に聞いてみたい疑問の一つです。

(3)吸気だけダクトを使い排気は本体でする方式は、設備費用も安くなるが、ロスも減るので有効と思う。反面、間取りには制約が出てきてしまう。

4.設備費用
熱交換型第一種換気装置は、まだまだ値段が高い。供給台数が少ないせいでしょうか。
早くDCモーターを使った省エネタイプを安価で供給して欲しいものです。松下電工で探してみたけど、小型のものしか見つかりませんでした。
http://web-mesc.com/CGI/syohin.cgi?hinban=FY-75VBD5A
 


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