_ココで紹介したいろいろなIDEAは、環境などにより新たな欠陥を生むリスクもあります。 良く検討された上で、自らの責任で採用してください。

換気のロス(1)2008年03月05日 23:55:45

 
住宅の換気は第一種換気と第三種換気が用いられることが多い。

また、第一種は第三種の2倍の電力を消費するとも言われる。
今回は、このまゆつばについて述べる。
 
最初に換気方式の種類があるので、誤解が無いように整理しておく。
第一種換気にもいくつか種類がある。

(1)吸気ダクト排気ダクト式。各部屋に吸気と排気口があるもの。
今までは第一種換気というとこれだと考えていました。
(2)吸気ダクト式。吸気は各部屋にあるが、排気は2F天井などに設けた機械本体で行なうもの。最近、省エネの観点からこの方式を見直しました。
(3)ダクトレス。小さな換気扇を吸気と排気に付けたもの。
これは建築基準法は満たすが、計画換気ができないので問題外。

同様に第三種換気にも種類があるが、ダクトレスは問題外なので、排気ダクト式で吸気はパッコンが普通の方式になる。
吸気についても屋外貫通式と、外壁通気層経由式があるが、ここではその差は問題にしない。

結論を書こう。
トステム株式会社住宅環境技術部が2005年7月に発行した「スーパーウォール工法住宅、性能データブック」という冊子がある。
ここでは、1F 83.64m2, 2F66.25m2の家において換気方式を変えた場合の1ヶ月の消費電力を試算している。
(1)けいざい君(ダクト式第三種換気)830円
50W*24h*30day*@23 
(2)かいてき君(吸気ダクト排気ダクト式第一種換気)2730円
165W*24h*30day*@23
(3)すっきり君(ダクトレス第三種換気)280円
16.5W*24h*30day*@23

ネーミングがうまいな〜〜。
それはさておき、
なぜ、かいてき君はけいざい君の3倍以上の消費電力になってしまうのか。

その答えは、ダクトの長さにある。
一般的な間取りだと水周りが北側に集中し、第三種は北側の排気口まで短いダクトで済む。吸気口のパッコンは南、東、西に設ければ良い。
しかし、第一種はその排気ダクトを同じとしても、部屋の反対側(吸気口の対角線)まで給気口を伸ばさねばならない。
また第一種換気は普通、熱交換型が用いられるが、これはダクトルートがさらに複雑で長くなる。機械を2Fに置いたら、各部屋の給気は2Fから1Fに降ろさねばならない。
この様なことから消費電力が3倍以上になってしまう。

(2)の排気ダクトを省略する第一種換気ならば、排気側の損失分が減るので消費電力は2〜2.5倍程度で済むと思わます。
 

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