_ココで紹介したいろいろなIDEAは、環境などにより新たな欠陥を生むリスクもあります。 良く検討された上で、自らの責任で採用してください。

省エネのバイブル《住宅編》2008年09月23日 22:43:21

 
普通に市販していないのですが、
住宅の省エネに関してはこの本がバイブルと言えます。

自立循環型住宅への設計ガイドライン。

自立循環型型住宅の定義は長ったらしいんだけれども、
重要な点は三つだと思う。
>居住性や利便性の水準を向上させつつ
>居住時のエネルギー消費量を50%にまで削減可能な
>十分実用化できる住宅

ここで特に大事なのが最後の部分だと思う。
(未来の技術や夢物語ではなく、)現在ある技術の選択と組み合わせによって、エネルギーを50%削減可能なことだ。
つまり、いますぐにでも50%削減ができる、ということ。
本ではその方法を詳しく示している。

以下に「自立循環型型住宅の定義」を引用しておきます。
自立循環型住宅とは、気候や敷地特性などの住宅の立地条件および住まい方に応じて極力自然エネルギーを活用した上で、建物と設備機器の設計や選択に注意を払うことによって、居住性や利便性の水準を向上させつつも、居住時のエネルギー消費量(二酸化炭素排出量)を2000年頃の標準的な住宅と比較して50%にまで削減可能な2010年時点までに十分実用化できる住宅である。


2005年7月時点での問い合わせ先
(財)建築環境・省エネルギー機構 企画・環境部 青木正諭宛
メール:aoki(アットマーク)ibec.or.jp 
注:スパム対策です。宛先には@を使ってください。
電話:03−3222−6737
事務所所在地は、9月16日に移転したようです。
http://www.ibec.or.jp/shokai/annai.html
 


p.s.
省エネとは関係ないけど、本日はお彼岸。
実家のお墓に行ってきました。
 

自立循環型住宅(1)2008年09月24日 06:55:27

 
わたしがこの本を入手したのは、2005年に行われた一般公開セミナーでした。
そこでは執筆者の中から4名がきて説明してくれました。
国土技術総合政策研究所から3名、北方建築総合研究所から1名でした。

参加者は、私のような素人はほとんどいませんでした。
建築関係従事者が多いようでしたが、自己啓発(研鑽)かCPDの単位取得かは分りませんでした。
http://www.cpd-ccesa.org/
http://www.kenchikushikai.or.jp/cpd/seido/f_seido.htm


自立循環型住宅はひとつではありません。
立地やライフスタイルで当然変わってくるものですが、
そのイメージとしては設計目標というかたちで3つに分類しています。

郊外型、伝統的自然生活志向、広い敷地。
主として自然エネルギーを利用して、快適さを達成する。
第一優先、自然エネルギー活用
第二優先、建物外皮の熱遮断技術
第三優先、省エネルギー設備技術
例:敷地83坪、平屋22坪、2人家族、
特徴:長い庇による日射遮断など、


都市型、設備生活志向、小さい敷地。
主として設備を利用して、快適さを達成する。
第一優先、建物外皮の熱遮断技術、省エネルギー設備技術
第三優先、自然エネルギー活用
例:40坪、二階建て37坪、4人家族、
特徴:2階リビングや頂側窓による日射と通風確保など


この中間型、自然生活志向、中規模の敷地。
自然エネルギー利用と設備利用を両立させて、快適さを達成する。
第一優先、建物外皮の熱遮断技術、
第二優先、自然エネルギー活用、省エネルギー設備技術
例:敷地63坪、二階建て39坪、4人家族、
特徴:北側天窓、引戸による風と日射の利用など



いい家の正解はひとつではなく、色々あると思う。
最初に書いたように、環境も違うし、感じ方も違うし、生き方(人生設計)も違うのだから。。。

これが絶対いいんだ。これだけが正解だ。
という富士山型ではなく、答えがイッパイある八ケ岳型がわたしは好きだ。
 

自立循環型住宅(2)2008年09月27日 15:05:51

 
(自立循環型住宅の設計ガイドライン24pの引用)
>計画・設計の初期段階で配慮を欠いたために、要素技術を適用することが難しくなったり、要素技術を適用しても期待している効果が現れない場合があります。こうしたことを回避するために計画・設計の比較的初期の段階で多少の配慮をしておくことが望まれる基本的事項があります。

自立循環型住宅の設計ガイドラインでは、この設計にかかわる基本的配慮事項をチェックリストの形で紹介している。
先に述べた三つ、つまり、
 ・自然エネルギー活用
 ・建物外皮の熱遮断技術
 ・省エネルギー設備技術
に関して配慮すべき事項だ。

ここでは、そのなかで一番ボリュームのある「自然エネルギー活用」について
紹介する。(実際は、ただの転記です。)

まず、敷地利用配置計画時点。
・卓越風向を調べ、風上側に庭を確保。
・風下側にも適度の空地を確保。
・主風向と直交する両方向に適度の空地を確保。
・流入空気温度の上昇を抑える流入開口風上側への植栽などの配置。
・風を呼び込むフェンス、袖壁などの配置を配慮した配置。
・良好な光環境を担保しうる建物後退距離の確保。
・近接建物による採光上の障害に配慮した配置設計。
・日射の取得に有効な南面を主体とした建物/開口部の向き。

次に、平面計画時点。
・通風を確保したい居室を卓越風向を考えて風上側に計画。
・風の流出口を風上側以外に1ヶ所以上設置。
・流入口と流出口を抵抗の少ない通風経路で連結。
・風のよどみの少ない開放的な平面計画。
・外部騒音に配慮した開口部の配置および形式。
・昼光を有効に利用しうる窓配置と窓面積の設定。
・無採光室を回避する平面計画。
・日射を十分に確保できる窓面積の確保。
・プライバシーに配慮した開口部の配置。

さらに、断面計画立面計画時点。
・天窓、頂側窓等の設置に適した屋根回りの計画。
・居住域内の開放的な吹抜け空間の計画。
・2階リビングなど主要居室の2階配置の検討。
・直射の少ない北面向き屋根面を利用した採光窓の確保。
・南向き屋根面の確保。

最後に、細部計画時点。
・外部騒音に配慮した開口部形式の採用。
・防犯上の安全性の高い開口部の構成・納まりの検討。
・風下側流出口の開放面積に配慮した開口部の採用。
・風であおられにくい引戸形式の内部建具の採用。
・土塗り壁など熱容量の高い材料による躯体工法の採用。

自然エネルギー活用技術に関するものは以上です。
考えることがたくさんあって、設計者はタイヘンだ。
 

高断熱高気密住宅は危険か???2008年09月27日 20:48:56

 
拙宅は、高断熱高気密24時間換気(高高24)である。

高高24を考える時、日本では北海道に学ぶことが多い。
研究内容なら寒研。(寒地住宅都市研究所)
新聞なら北海道住宅新聞だ。

昨日、その北海道住宅新聞に気になる記事があった。
> 8月28日早朝、帯広市内で住宅が全焼し遺体が発見された。地元紙「十勝毎日新聞」は当日1面トップで報道、3日後の31日には東京から現地入りした大学教授にインタビューを行い、“住宅の断熱・気密性能の高さが大きな被害をもたらした”とする記事を掲載した。
http://www.iesu.co.jp/shinbun/2008/20-9-25.htm

全文を読めないので詳細不明。
だから余計にイライラが募る。
速く事実が知りたい。

火事そのものは、これらしいが。
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20080828ddj041040003000c.html

 

なお、北海道立寒地住宅都市研究所は旭川へ移転し、名称も北海道立北方建築総合研究所となりました。
 

自立循環型住宅(3)2008年09月28日 11:58:09

 
>まず、敷地利用配置計画時点。
>・卓越風向を調べ、風上側に庭を確保。
>・風下側にも適度の空地を確保。
>・主風向と直交する両方向に適度の空地を確保。
>・流入空気温度の上昇を抑える流入開口風上側への植栽などの配置。
>・風を呼び込むフェンス、袖壁などの配置を配慮した配置。

自然エネルギーのためには、東西南北に適度の空間を確保する必要がある。
これには意義なし。

風上側の植栽。
これには若干の異論がある。
風が吹いている時のことを考える。
風上側に植栽があると葉からの蒸散によって流入空気の温度低下を期待できる。
これはこれで良い。

しかし、風は24時間吹いている訳ではない。

ある本で、風を起こして涼しく住まう工夫が紹介してあった。
京都の町家だったと思うが、玄関から細長い造りの家で、片方の庭は日射を受けて暑くして、その反対側の庭は低い植栽と打ち水で温度を低下させる。
そうすると、日射を受けた側の上昇気流よって風が起こり、
それが家の中を通り抜ける、というものだ。
「人間の知恵」が生かされた造りだと思う。

    (家の中)      ↑↑
植栽 → → → → → → 庭(太陽で暑くなる)


自然エネルギーの活用を言うならば、風を取り入れる時ばかりではなく、
風を起こす時のことも同時に考えておく必要があると思う。
 

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